NC旋盤のプログラムを初めて見たとき、GだのMだの記号だらけで「暗号か?」と思いませんでしたか。私も最初はそうでした。

でも安心してください。実際の現場で毎日使うコードは、それほど多くありません。この記事では、最初に覚えるべき10個のGコードと、プログラムの読み方の基本を、実例つきで解説します。

Gコードとは?プログラムの基本構造

Gコードは、NC工作機械に「どう動くか」を指示する命令です。旋盤のプログラムは、次のような要素の組み合わせでできています。

アドレス役割
G動き方の指定(準備機能)G01=直線で切削
M機械の補助動作M03=主軸正転
T工具の選択T0101=1番工具+1番補正
S回転数・周速S1500
F送り速度F0.2=0.2mm/rev
X / Z座標(X=直径方向、Z=長手方向)X50.0 Z-30.0
POINT

旋盤のX座標は直径値で指令するのが基本です(直径指定)。「X50.0」は半径25mmの位置。Zは端面をZ0にして、材料の中へ行くほどマイナスになります。

最初に覚えるべきGコード10選

コード意味ひとこと解説
G00位置決め(早送り)削らずに最速で移動。ぶつけ事故の大半はコレ。移動経路に注意
G01直線切削指定した送り(F)で直線的に削る。一番よく使う
G02円弧切削(時計回り)Rで半径を指定して円弧を削る
G03円弧切削(反時計回り)G02の逆回り
G28原点復帰機械原点へ戻る。段取り替えや工程の終わりに
G50主軸最高回転数の制限周速一定制御のときの安全リミッター
G96周速一定制御径が変わっても切削速度(m/min)を一定に保つ。仕上げ面が安定
G97回転数一定ねじ切り・ドリル加工はこちら
G41/G42刃先R補正ノーズRによる誤差を自動補正。詳しくはこちらの記事
G40刃先R補正キャンセルG41/G42を使ったら必ずキャンセル

あわせて覚えるMコード

コード意味
M03 / M04主軸正転 / 逆転
M05主軸停止
M08 / M09クーラントON / OFF
M30プログラム終了(先頭に戻る)

実際に読んでみよう:外径加工のプログラム例

φ50の材料をφ40に削って、25mmの長さで段を付ける——そんな単純な外径加工の例です。1行ずつ意味を追ってみてください。

O0001                  (プログラム番号)
G50 S2500              (最高回転を2500min-1に制限)
G96 S200 M03           (周速200m/minで主軸正転)
T0101                  (1番工具を呼び出し)
G00 X52.0 Z5.0 M08     (材料の近くへ早送り、クーラントON)
G01 Z0 F0.25           (端面位置へ)
X-1.6                  (端面を削る ※中心を少し越える)
G00 X46.0 Z2.0         (外径削りの開始点へ)
G01 Z-25.0             (φ46で25mm削る)
X52.0                  (逃げる)
G00 Z2.0               (戻る)
X42.0                  (2回目の切込み)
G01 Z-25.0             (φ42で削る)
X52.0
G00 Z2.0
X40.0                  (仕上げ径へ)
G01 Z-25.0             (φ40で仕上げ)
X52.0
G00 X150.0 Z100.0 M09  (工具交換位置へ退避)
M30                    (プログラム終了)

こうして見ると、やっていることは「開始点へ移動 → 削る → 逃げる → 戻る」の繰り返しだとわかります。Gコードは英作文ではなく定型文の組み合わせなので、パターンさえ掴めば読めるようになります。

複合形固定サイクル(G71など)という近道もある

上の例では切込みを1回ずつ書きましたが、実際の現場ではG71(外径荒削りサイクル)のような固定サイクルを使って、仕上げ形状だけ書けば荒引きを機械に任せる書き方もよく使います。ねじ切りのG76G92も同じ仲間です。まずはG01で動きの意味を理解してから、固定サイクルに進むのがおすすめの順番です。

Gコードを「書く」時代から「確認する」時代へ

ここまで読んで、「覚えることが多いな…」と感じた方もいると思います。実際、現場のプログラム作成では今、役割が少しずつ変わってきています。Gコードを一から手で書く場面は減り、CAMが出力したGコードを読んで・確認して・必要なら直すという仕事の仕方が増えているのです。

現場のホンネ

Gコードが読めることは、これからも大事なスキルです。シミュレーションと実機の違いに気づけるのは、コードが読める人だけ。でも「毎回ゼロから手打ちする」ことは、もう頑張らなくていい部分だと思っています。

ブラウザで動く旋盤CAM「LATHE-NC」なら、DXF図面を読み込んでシミュレーションを確認するだけで、この記事で説明したようなGコードが自動で出力されます。出てきたコードを読んで意味がわかる——この記事がその手助けになればうれしいです。

まとめ

Gコード、書くのはCAMに任せませんか。

LATHE-NCは、DXF読込→シミュレーション確認→Gコード出力の3ステップ。
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